たとえば、アスファルトの地面をスニーカーで踏みしめた時にじゃりじゃりと音が出て、そのおとがへんにここちよくて、なんども同じ場所を往復したくなるようなこと。
ひとさしゆびで触れた部分におやゆびも触れさせてみないと気がすまない気がしたり、します。
意味もなく鼻を鳴らしてみたり、瞬きを繰り返してみたりすること。
くちびるのうちがわを必要以上に湿したがったりします。
そんなささいなことはあまりにささいなことなのでことばにしてもきっと伝わりません。
対応する適当なことばや表現がみつからないが、しかし自分にとっては必要なような気がしてしまい、せざるをえないことがあります。
すくなくとも自分は小さい頃からそういうどうでもいいようなことを結構気にして生きてきたのでした。
神経質というだけなのかもしれませんが。
そのような自分の中の、小さいルールや、義務のようなものは、しかし誰でも持っているのだと思うのですが。
癖、ではなくて。
そんなことを、たとえばカンピオンや、田中功起の作品を観るとかんじます。
こういう小さな摩擦を起こして、自分と世界とのつながりに、ひそかに悦に入り、安定します。
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