何から書き始めるべきか。
俺はずいぶん、このマンガに感情移入してきた。嫌いだが嫌いな分特別視してきた。
『なるたる』は未だに解決しないのだ。
モヤモヤするのだ。
なにかあるのだ。何か。腑に落ちないことが。
あまたある“セカイ系”の最高傑作が『なるたる』だなんで、言いたい訳ではない。ないのだ。
けれど、
最もドライで、ナイーブでなく一見繊細で、その意味だけに於いて極めて暴力的な面のみが先鋭化されてリアルで、他の部分は稚拙で、そのギャップがたまらなくその当時、“ゼロ年代”? にさしかかって、学生になりたてだった俺にはとても共感的で、モロく、刺激的で、無意識にゆさぶりをかけ、いってみればカッコつけ、クールぶって、中二病で、どうしようもなく、そしてそのどうしようもなさのまま、放り投げるでもなく、のりこえるでもなく、わけわからなくなるでもなく、ちぢこまるでもなく、達観するでもなく、ただ、非常に異常に、サディスティックなまでに客観的に
自然に物語を持って行った。
自 然 に 終わらせてしまった(?)
それが、『なるたる』の異様な“力”だろうか。
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