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沼池(ぬまち)

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炎上詩①,②



炎上が怖くて、凍結する人々。
言葉が凍結して壊死。
広がった先々は根腐れ。
やがて幹は灰色になって枯渇。
大きな「うろ」が空いて、崩落。
炎上する先端は空気分子を散らす。
煙は風に乗って拡散。
無呼吸と颱風。
津波は遠い沿岸を洗う。
削りだす水分子は石走って浸透。
循環する大気と降雨。
森林火災を濡らす。
根を張り巡らせ。
虫虫はかしましく繁殖。
月経血ながれる中天の名月。
そそり昇がるイナ光。
あるべきやうは、



 ②

炎上を恐れる子供たちが凍り付いてしまう。
自らの燃え上がる姿から目を逸らして、徒党を組んだ。
火を付けて遊ぶ子供たちは自らの姿を知らない。
可燃性の体をもつ自分自身を知らない。
真っ赤なこどもたちは必死になって自分の体を青だと嘯くことに必死になって風景が闇であることを知らない。
彼らは自分の家に火を付けて遊ぶ。
「人殺し」という言葉が空から降ってきている。
方々にささる。
みんな気づかずに「雨だ」と言って傘も差さないで笑っている。
目の悪い人たちは「空から女の子が降ってきた」と言っては持ち帰って飼いならす。
みんな優しいのでにこにことしている。
みんな優しいのでにこにことしている。


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